weeklyアキタミチコラム

九州産直クラブのカタログ連載中の畜産・農産コラムをまとめています!

2015-01-01から1年間の記事一覧

16004nezasu Vol.7 田んぼで作る牛のエサ

「安心・安全な食」の根っこを考えるとき、一番大事なことは「食べ物が買える」ことだと思います。今の日本ではお金さえあればいつでもどんな野菜も食べ物も手に入るので、その事をうっかり忘れてしまいますが、それが「あたり前」ではないことを、食料自給…

15051nezasu vol.6 「うしさん」と「人間」

福島第一原発から14キロ地点に『希望の牧場』という牧場があります。私がそれを知ったのは、昔から好きだった作家さんが書いた一冊の本。警戒区域内で300頭以上の牛を飼う、この牧場について紹介した絵本がきっかけでした。(森絵都、2014、『希望の牧場』岩崎…

15048nezasu vol.5 TPPがお値打ちな牛肉と酪農に与える影響

かねてから「本当に国内産業への影響は大丈夫なのか」と問題視されてきたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。そもそも日本の国土は、海外に比べると狭いので、海外が「生産効率高い=価格が低い」のは、すごいことでもなんでもなく地域特性の問題。さらに関税…

15045nezasu vol.4 私たちの生活が、国産のお肉が買えなくする?  

「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないですが、回りまわって…というか、世の中で起こっていることが、自分の生活に結構直接的に影響を及ぼすことがあるものなのだと、改めて感じています。 そのひとつが、最近の肉類の値上げ。私たちの農場である『菊池農場』…

15042nezasu vol.3 お乳をいただく牛と、お肉をいただく牛

昔は庭先で1~2頭の牛を飼っていた、という話は、田舎に行くとよく耳にします。畑仕事の手伝いや肥料生産、非常時や祝い事の食料や資産として…?昔に遡れば遡るほど、仕事を手伝ってくれる牛は犬や猫以上に身近な存在だったかもしれません。今や都会っ子は…

15039nezasu vol.2:ダシになる肉

農家で働いていたときは本当に野菜しか食べていませんでしたが、流通業界で働くようになり(買える余裕が出てきたので) 少しずつ肉も食べるようになりました。それでも『菊池農場』などの自社畜産の取り組みに関心が持てるようになるまでは、自分で肉メインの…

15036nezasu 新連載・畜産担当コラムが始まります 

私が、まだ入社して1年もたたないピッチピチの頃。当時、畜産担当をしていた先輩社員に「どうして牛肉が豚肉よりも高いか知ってるか」と聞かれたことがありました。冷静に考えればわかる気もするのですが…その理由は「牛は出荷するまでに2年、豚だったら半年…

15032 強制的節電生活

夏本番。この原稿を書いているのは7月上旬ですが、ここ数日は大変ムシムシして、私もパソコンもうだる様な暑さです。会社としては、「パソコンのため…」ということで暑い日はクーラーを入れるのですが、それが原因でブレーカーが落ちて作ってきたデータが全…

15031 遺伝子の奴隷

原稿を書くのに、何か口に入れてないと落ち着かず、自分でも良くないなと思いながら、どうしても間食がやめられずにいます。この夏もネージュのアイスキャンデーや新商品のメロディアイスにとてもお世話になっていて、食べ過ぎてお腹を壊すほど…。 そんな姿…

15029今までの水俣とこれからの水俣

先日、水俣に研修に行ったときのこと。「食品問題の原点としての水俣を学び、新しく入社したスタッフが研修できる体制をつくろう」というミッションで、患者さんの家族や農家さん・患者さんを支援している方とお話してきました。 お話の中で象徴的だと感じた…

15027食卓を支える、という農業の役割

5月下旬、熊本県内でも特に有機農業が盛んな山都町へ視察に行ってきました。私の住んでいる地域では、まだレンゲ草の片付けも終わっていなくて、田植えなんてまだまだ先!という時期でしたが、(山都町は比較的涼しい(=水が冷たい)地域で、稲の生育がゆっ…

15026「生き物」を食べるということ

ずっとレバーが苦手だったのですが、最近やっとおいしいと感じられるようになってきました。『みのり農場』の麻生さんも「健康に育った鳥の内臓はすごくきれい。特にレバーが全然違う」と言われていたりするのですが、そういう質のいいレバーに出会えるよう…

15025 大切な人への贈り物 ~「SUMMER GIFTにんじん」はじまりました~

今年も夏ギフトカタログをお配りする季節となりました。学生時代にお世話になった農家さんや離れて暮らす父母兄弟へ贈ることを、私自身も楽しみにしています。 特に、昨年から、私自身もギフトの企画に一部携わることになってギフト企画への想いもひとしお。…

15023 変化するカラダと野菜

たまに「野菜があんまりおいしくなかったんだけど…」とご意見を頂くことがあります。春先であれば、急に温かくなると「とうだち(花を咲かせるために全体に固くなる)」で、大根やカブが筋っぽくなったり、これからの季節、長雨が降ると、トマトなんかの生り物…

15021日本のポストハーベスト農薬

※写真は、水です。しかしながら、農薬を使えば、作物だけでなく農家自身が一番たくさん浴びることになるんだなと、撒いているところを想像すると改めて感じます。 5月も半ばに差し掛かり、もう少し待てば夏野菜が始まる季節になりました。 夏に旬を迎える野…

15019私のために育てられた野菜

野菜には、収穫してからすぐ食べたほうがいい新鮮さ重視野菜と、貯蔵しながら出荷する熟成系の野菜の2種類があります。根菜類は主に後者。しかし、同じじゃがいもや玉ねぎ・にんじんであっても、採れたての瑞々しいおいしさと、熟成させて甘みの増した味わい…

15018カタチじゃない「顔が見える」

以前、産直クラブのお肉のスライスやパッキングをしている大誠食品さんに「一般飼育の豚を見てみたいから、大誠食品の社員として一緒に一般の農場に連れて行ってもらえないか?」と聞いてみた先輩スタッフが居たそうです。話では「一般飼育は過密飼いで…」な…

15016クスリになる食べ物

「ラクトフェリン」という名前を聞いたことはありますでしょうか。最近、発ガン予防やピロリ菌の減少、腸内細菌のバランスを整えるなどの機能性がある栄養素として、サプリメントなどに使われている注目の栄養成分。ヨーグルトやヒトの母乳、血液、唾液など…

15014 もっと食べ物を知るための手作りのススメ

味噌も醤油も漬物も、ちょっと前までは「つくるもの」だった食品が、気がつけば「買うことが当たり前」になっています。 例えば、味噌なんか、昔は「味噌買う家は蔵がたたぬ」なんてことわざもあったほど。それぞれの家庭で「つくることが当たり前」だったと…

15013真っ白な「白米」をつくるために

「白米」は白い。今まで疑問に思ったこともなかったことについて、最近考えさせられています。 きっかけは、会員さんからの「お米に黒い斑点がついてますけど」というお電話。原因は、カメムシによる食害でした。 これは、穂が実る途中、カメムシが柔らかい…

15012骨のある大根

先日、『旬の野菜セット』でお馴染みの『万菜村』に取材に行ったときのこと。畑に行くと、小松菜や雪菜、チンゲンサイや白菜の花盛り。これが一般的には「とうだち」と呼ばれ、葉物野菜や根物野菜で、花を咲かせるための茎ができ、種をしっかり落せるように…

15011「すばらしい農家」という葛藤

「さんちょく夢広場」や別チラシでご案内していた山梨県の「白州郷牧場のたまご」。私たちがこの卵と出会うようになったきっかけは、昨年関東地域を襲った大寒波でした。普段は雪がそこまで降らない地域に、身長よりも高い雪が降り積もり、何日も家から出られ…

15010 会員さんからの質問:低農薬の野菜や果物を皮ごと調理しても大丈夫なのでしょうか?

A. お便りありがとうございます。「大丈夫です」と申し上げたい所ですが、農薬や添加物や放射能には「絶対」というものがなく、身体の感受性によって食べたものがどう発現するのか、結果の現れ方には個人差があるので回答が難しいです。 しかしその上で、一…

15009畑のリズムで食べる

毎週、定期便で「旬の野菜セット」を頼み始めてそろそろ2年になります。野菜を育てる「万菜村」は、30年前にサラリーマンから転身しゼロから農業を始めた間(はざま)さんがつくった出荷グループ。メンバーは間さんと同じように新しく有機農業を始めた「新米…

15008農家の大敵ヨトウムシ~農薬散布「1回」の壁~

その食べっぷりから多くの農家を悩ませる「ヨトウムシ」という虫がいます。漢字で書くと「夜盗虫」。昼間は土の中などに隠れて身を隠し、夜になると畑を丸裸にする勢いで食害します。以前見学した農家さんでは隣の畑で増殖したヨトウムシが自分の畑へ。苗が食…

15007 冬、やさいが食べられる幸せ

寒くなると、九州って恵まれているなぁとつくづく思います。土が凍ってしまうと野菜を育てることは出来ないので、冬の間も新鮮な青菜が食べられるのは温暖な九州だからこそ。今はスーパーがあるので雪国でも冬の食べものに困ることはないのだと思いますが、…

15006 味のしくみ ~プライベートブランドに学ぶこと~

今週から「ねざすproject」の『やさしいカレールゥ 畑まるごとうけとめます!』の発売が始まります。すでに取り扱いのあるカレールゥと同じものを作ってもしょうがないので、今回発売のカレールゥは「動物性原料不使用、小麦グルテンフリー、化学調味料・酵…

15005 ホンモノの値段

昨年、『みのり農場』の麻生さんから「このまま非遺伝子組み換え(NON-GMO)トウモロコシの価格が上がったら、続けられない…」と相談がありました。表紙でも触れましたが、その価格差は3倍!除草剤をばらまいても枯れず、農薬の散布を抑えられるように遺伝子…

お知らせ/15004新しい年を迎え、今週から地域版カタログの名称をリニューアルします。

原料・資材の高騰、送料の値上によって、私たちのお付き合いしている小さな生産者・メーカーは大変厳しい存続の危機にあります。経営努力でなんとか持ちこたえたいと思っていますが、値上に踏み切らざるを得ない状況です。 しかし、そんな状況だからこそ、『…

15003 未来の野菜を育てる

昔と比べて野菜の栄養素が減っている、という話をよく聞きます。食品に含まれる栄養素を分析した『食品成分表』を見るとその違いは明らか。20年前と比べてほとんどの野菜で栄養成分が減少しています。特に減少の大きい「ほうれん草」では、過去50年でビタミ…