weeklyアキタミチコラム

九州産直クラブのカタログ連載中の畜産・農産コラムをまとめています!

2014-01-01から1年間の記事一覧

14049w 人生がにじみ出たパン

新しいパン屋さんを探す中で出会った「PAN-TEA」さん。名前は頬を赤らめてしまいそうな変わった名前ですが、パンをこよなく愛する素敵なパン屋さんです。 産直クラブとの出会いは、作り手の心意気と味にうるさい「燻製工房燻香」の西原さんのご紹介。産直ク…

14048w 大きな地産地消 ~生産地と消費地~

毎年、冬には必ず取材に行く「長崎有機農業研究会(長有研)」。産直クラブには、冬のみかん、レモン、春のたまねぎ、じゃがいも、夏のぶどう…年間を通して長崎の旬の野菜や果物を出荷してくれています。 産直クラブの生産者の中でもメンバーが多く、野菜の…

14047w「無農薬」という言い訳

11月末から12月くらいにかけて、野菜は寒にあたって甘みを蓄えるので美味しさも伝わりやすくなるし、虫の害も少なくなってきれいな状態でお届けできるので、流通の立場としては少しホッとする季節です。届いた野菜だけじゃなくて、キンと張り詰めた寒さの中…

14046w 無農薬の壁~恐怖のイモチに学ぶこと~

昔、天候不順によって全国的にお米が不足し、海外からお米を緊急輸入するような事態になった「平成コメ騒動」と呼ばれる米不足の年がありました。その年の天気が今年の夏と同じ、長雨と日照不足。そして、今年の田んぼではその年と同様に「イモチ病」という…

14045w未来の食卓を育む、今日のごはん

先日、北九州で行われた料理教室のお手伝いに行ってきました。テーマは「今さら聞けない料理教室~ご飯を炊く編~」ということで、土鍋・圧力鍋・無水鍋など道具の違いによるご飯の炊きあがりを学習。講師の渡辺さんは、カタログ「にんじん」に載っている「…

2014044野菜の「規格」

畑で育ったものが、無駄なく会員さんのもとに届いたらいいなと思ってカタログを作っています。でも、世の中は必ずしもそういう考え方ばかりではなく、農産物が「市場」に集まる現在の流通制度では、畑で野菜が育っていても「出荷したほうが損」というときが…

  2014043「いのち」を扱う仕事

カタログを作る仕事の傍ら「走る豚」と「健康あか牛」の在庫管理をしています。 ただただ寒くて重い力仕事なのですが、毎週豚が8頭分、牛が月に2頭分、箱にすると30~40箱が冷凍庫と冷蔵庫に入荷するので、部位ごとに箱詰めされたブロック肉に毎週通し番号を…

2014042秋の端境期

夏野菜もそろそろ終わりを迎え、秋・冬野菜が始まります。ここから始まるのが「秋の端境期(はざかいき)」。夏野菜の、きゅうり、茄子など実野菜が実らなくなって木が枯れてくる時期と、まだまだ暖かくて秋冬野菜がうまくできない時期が重なってしまう、野菜…

2014041 「こだわり」の収穫祭のこと

産直クラブへ出荷する九州の生産者で組織する「生産者の会」。消費者や生産者同士の交流を通じて、より有機農産物への理解と技術を高めることを目的に会議や現地視察を重ねています。 その中でも、なんといってもイチバン大きな活動は、日頃お世話になってい…

2014040土を使わない農業に思うこと

以前、水耕栽培の無農薬農家を見学に行ったことがあります。大きなビニールハウスの中に液肥入りの水の張られた台がずらりと並べられ、その上に等間隔に穴のあいた発泡スチロールの板が浮かんでいます。別の場所でスポンジにまかれて発芽した苗をその穴に埋…

2014039本物を見極めるために

なんでもかんでも昔がいいとは思わないのですが、食べ物や生活に必要なものを自分で作っていた時代から「お金」を介して「買う」時代に変わっていき、いろんな事が見えなくなってわからなくなってしまった弊害を感じます。 「買う」ということが、同じ価値の…

2014038有機JASに甘えたくない

「え?!有機JASの野菜でも農薬を使っているんですか?!」とびっくりされたことが何度かあります。私もこの仕事をするまで、「有機ってなに?」という感じで全然農業について知らなかったのですが、有機JASでは使用してもカウントしない農薬が30分類以上、…

2014035賛否両論 野菜の代替 ~できるだけ減らしたい、野菜の欠品~

中村さんのにんじん、園田さんの小松菜…など、産直クラブではできるだけ「●●さんの野菜」というように、誰が育てたものかわかるようにお届けしています。 これは、1人とか1グループで作りきる量しか発注できない規模だから成せるワザですが、生産者にとっ…

2014034食卓に届かない野菜

しばらく欠品が多くて、やっと野菜が出始めてきた~というときに「最近、欠品が少なくなって嬉しい。いつも届くか届かないか、ばくちみたいな気持ちで注文していたから」というお便りがあり、生産者に伝えたらものすごく怒られたことがありました。私の言い…

2014033育てるための収穫

ハツカ大根なら、種をまいてから収穫まで約20日。春先のほうれん草や小松菜などの葉物野菜で40日。じゃがいもで約120日。たまねぎで約180日。 しかし、そんな秋から春にかけての野菜と一味違うのが、夏に旬を迎える、なす・ピーマン・きゅうり・オクラなどの…

2014032九州の台風、東北の雪。

7月上旬の台風8号の襲来。やっとこれから夏野菜がはじまる!という時だったため、8月・9月くらいまで収穫を続ける露地のトマトやきゅうり、なすやピーマンなどの実野菜の木が折れたり、小さい実に傷がついたり、花が落ちてしばらく実がつかなかったり…。私が…

2014031野菜の傷み、だれのせい?

夏も盛りを迎え、もうすぐ8月。今年は例年に比べると涼しいですが、やっぱり本来は寒い時期が好きな、ほうれん草、春菊、小松菜、みず菜などの葉物は、葉っぱの一部が青汁のように「とろける」傷みが出やすくなってきます。 とろけの主な原因は、土の中にい…

2014030wアオムシ付の小松菜

毎年のことではありますが、5月くらいになると野菜の虫くいに悩まされます。ハウス栽培だったらそもそも蝶が入っていきにくいのでピカピカに育てられますが、露地栽培だと3・4月ぐらいには蝶が舞い始め、増える勢いは、5・6月にかけて倍・倍に。モンシロチョ…

2014029w化学肥料の話

野菜の栄養素が減っている、という話をよく聞きます。実は、品種改良によって増えている成分もあるのですが、食品に含まれる栄養素を分析した『食品成分表』を見てびっくり。20年前と比べてほとんどの野菜で栄養成分が減少しています。特に減少の大きい「ほ…

2014027wジュースの話

暑くなるとゴクゴク飲みたくなってしまうジュース。私も数年前まで配達をしていたので、暑いときは特に冷たい清涼飲料水をガブ飲みしていました。でも、飲めば飲むほど口の中がベタベタして、のどが渇く感じ…。今思えば、糖尿病予備軍だったのでは!?と思っ…

201426w消費者の言葉の重さ  

先日、会員さんと共に「産直たまご“こがね”」のふるさと、唐津の海岸線を見渡せる「鏡山」を登ってきました。無事に全員登り終え、鶏舎を見学したあとに、たまごの話を聞かせてもらいながら、麻生さんの平飼い卵をふんだんに使ったロールケーキやシフォンケ…

2014025w:恐るべし、遺伝子組み換え食品

先日、社内でギフトカタログに掲載している光食品さんの「オーガニックスポーツドリンク&ジンジャーエール」の試飲勉強会をしました。比較に使ったのは、「ポ●リ●●ット」とどこにでも売っている大手飲料メーカーの「ジンジャーエール」。もちろん、味と添加…

2014.20w:産直クラブが大きくなるということ

先日、熊本の間さん(万菜村)から「最近、たまごの消費量が落ちてものすごく困っているんだけど…」と連絡を受けました。確かに、消費税増税などの影響で「ここ最近売上が落ちている…」とは思っていたのですが、こういう形で生産者にしわ寄せが行くとは…。 …

2012.26号 旬の野菜をもりもり食べる!

旬の野菜セットやヤーコンなどのお野菜でお馴染みの「万菜村」(熊本県植木町)。30年前にサラリーマンから転身し、ゼロから農業を始めた「間(はざま)さん」がつくった出荷グループです。万菜村のメンバーは、間さんと同じように新しく有機農業を始めた「…

2014.16号 生産者の甘え?消費者のエゴ?

「腐ったミカンが1つでもあると、他のみかんも腐っていく」という話があります。これは箱買いしたことのある方ならば実感があるかもしれませんが、腐ったミカンからでる「エチレンガス」が、周りの果物の熟度を高めるため通常よりも早く甘く柔らかくなるの…

2014.15号 愛しき「とうだち」野菜

先日、農家の集まりに行ったときのこと。畑見学のあとにそれぞれの農家で持ち寄った野菜で料理をすることになったのですが、1週間くらい暖かい日が続いた3月初旬で、畑は大根や小松菜の菜花で花盛り。葉っぱや根っこを食べる野菜が、花を咲かせ種を落とすた…