weeklyアキタミチコラム

九州産直クラブのカタログ連載中の畜産・農産コラムをまとめています!

16010nezasu vol.9 一頭・一羽まるごとからとれるお肉

 

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先日、「鶏丸体のさばき方教室」に参加しました。講師は、グループ企画部の朝長さん。20代で某スーパーの精肉担当として鶏の加工を習得し、長年生協や生産団体で鶏の担当をしてきたエキスパートです。魚で言えば、内蔵やうろこまでとった「下処理済」の状態から三枚おろしをする(部位ごとに切り分ける)工程をご指導いただきました。

 作業は、ローストチキンで思い浮かべるような、羽毛と内臓を取り除いた丸体の状態から、ムネ肉をとり、そこから手羽先と手羽元をわけ、ムネ肉の下にあるささみ、そしてモモ肉を外していきます。最終的に「もも、むね、ささみ、手羽先、手羽元」が2つずつとれて、最後に「鶏がら」が残るのですが、これが思うようにはいきません。

骨から肉をはずす際、骨に沿って包丁を入れていくのですが、飼育期間の短い若鶏では骨もがっちり固いわけではなく、骨がサクッと切れてしまったり、足先の骨を折って肉をはずす際には、上手にできないと肉に骨が残ってしまったりすることもあります。特に、慣れていないと不用意に力を入れて骨を折ってしまいがちです。自分でさばく分には、触って取り除くか、食べて入っていれば吐き出せばいいので問題はないですが、一般的には、肉に骨が残っていると「異物混入」と同じように扱われてしまうもの。今まで意識したことがありませんでしたが、さばく人の技術の高さもすばらしいですし、改めて、もとは骨付きで生きていた生き物だということを改めて意識させられました。

鶏であればまだ「どのあたりにどんなお肉がついているのか」がわかりそうなものだと思っていましたが、それでも骨や筋肉のつき方など知らないことばかり。豚や牛ほど大きくなると、ロースやバラがどんな風についていてどのくらいの量なのか、もっとわかりにくいかもしれません。同じ環境、同じような餌で育っていたとしても、1頭ずつ味も違えば、部位ごとに固さや脂のつき方もさまざま。

「自分と一緒」だと思うことは、生き物としての豚と食べ物としての豚肉を実感としてつなぐ、大切な気持ちであるような気がします。なかなかいつも販売している肉だけでも、紹介する農場の様子だけでも、伝わりにくいことだとは思いますが、豚は特にいろいろな部位をカタログでご紹介しているので、お試しいただければと思います。